Everything But Nirvana: The Authentic Leadership Journey of a Japanese Buddhist, Shoukei MATSUMOTO

京都"流"議定書2013「こころが繋ぐ資本」 / Kyoto "Ryu" Protocol 2013

京都流議定書2013に行ってきました。京都流議定書とは「日本の縮図ともいえる京都を研究し、その資産を分析し、強みを再認識することを目的としたイベント」です。京都のハイアットリージェンシーで3日連続開催、今日はその初日です。私も「こころが繋ぐ資本」というテーマのパネルディスカッションにパネリストとして参加をさせていただきました。

冒頭の鼎談「京都の行く道〜未来」では、アミタホールディングス会長の熊野英介さん、京都信用金庫の増田寿幸さん、京都市長の門川大作さんの鼎談セッション。

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熊野英介さんは眠れる資源を掘り起こして商品にするなど、これまでさまざまな事業を行って来られた経験からのお話しで、とても印象的でした。
「信頼されていると思えば、人間、蘇る。これから収縮する社会において、それを想定した社会システムがないのが問題。濃縮する時代にならなければいけない。量的拡大から、質的拡大へ。そういうことが京都でできなければ、日本のどこでできるかという思いで、本社を京都へ移した。本質的な価値というものが何なのか。思想のイノベーションが必要な時代である。今の農業の衰退は、経済的衰退以外に、質的衰退がある。消費者という、お金だけで日常を生きる特殊性の高い存在が一般化してしまった。しかし今、ハーフメイドのほうが自分らしく生きられることに皆が気づき始めている。それに制度とか仕組みが追いついてない。豊かな生活を定義するとき、生活者に生産者のこころを取り戻す必要がある。情報の発信力から求心力へ。そこに産業が集まる。生活の豊かさの基盤が産業になる。そうすれば、中間産地も豊かになる。何もなくても、自然がある。京都の強みは価格競争ではなく価値競争。それが強み。京都は200年以上続いている企業が世界一ある。企業が持続性を考えれば、自然と環境を大切にする視点が入ってくるはず。競争優位性に関するロジック、今までは技術力や文化力だった。これからは、それらを組み合わせる時代だ。」

増田さんは、京都信用金庫の町家ローンの事例を紹介。京都の町家は存在時代が京都という町にとってかけがえのない財産であるにもかかわらず、通常の建築基準法だと耐震基準などの面から"存在してはいけない"建物となってしまっており、子ども世代が改装して使おうと思っても、ローンが組めなくなっている。そこで、京都信用金庫が、NPOによる独自基準で町家の安全性を審査した結果を持って、ローンの条件に変え、町家を保存することに金融の面から貢献していることを紹介。(某メガバンクの支店長自身も、自分の銀行では自宅の個人ローンが組めないので、お世話になっているとか)社会の価値に金融も付いていかなければいけない。京都の老舗、大丸百貨店の下村家の家訓は「先義後利」。先に人様のことをやれば、必ず後からついてくる。そんなお話しでした。

門川市長は、京都の得意技6か条を紹介。
・目利き〜本物を見抜く力
・巧〜技術力
・極め〜何ごとも徹底して極限まで極めていく
・試み〜慎重であるけど、冒険心もある
・もてなし〜他所から来る人をあたたかく迎える
・始末〜節度のある倹約(祇園祭はド派手だけど)
京都はものづくりの歴史と、ものがたり作りの歴史。様式を生き方の美学にまでした精神文化がある。ハードウェア、ソフトウェア、それに人間力、ハートウェア。地域主体にやっていきたい。


鼎談に続いて、『21世紀を「京都の世紀」とする為の3条件』と題して、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんの講演。『デフレの正体』という本を書かれた方で、アグレッシブな講演スタイルに圧倒されながらも、飽きる間もない90分でした。日本経済の現在とこれから、そしてその中で京都はどうなのか、というお話でしたが、経済関連の講演は人によっていかようにも語ることができる中で、藻谷さんは徹底して人口動態をベースに論を展開されているのが良かったです。景気指標などは座標軸によってどうとでも解釈できますが、人の数が増えるか減るかという人口動態はあらゆる統計予測の中でもかなり確度の高いデータとして見ることができますので、お話しが具体的でした。これから縮小する日本において、京都は「京都の世紀」とする為に、
1. 高くて上質な本当の日本ブランドの中心として「京都ブランド」を育てること
2. 世界中の富裕層を空いてにした集客をすること 
3. 日本一時給水準の高い都市を目指すこと
を挙げられていました。

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そして、私たちの鼎談。テーマが「こころが繋ぐ資本」という高尚・難解・抽象的なものなので、なかなか皆さんとのお話しを重ねるのに難儀しましたが、登壇者それぞれの活動がとても面白いものでした。

信頼資本財団の鴨崎貴泰さんは、応援者の信頼を担保に無利子無担保でベンチャー企業に融資をする事業を立ち上げ、これまでの20件の事案で延滞は一度もないそう。すごいことだと思います。

京都大学こころの未来研究センターの内田由紀子さんは、"こころ"を大事にする心理研究で、幸福感をテーマにされています。
--アメリカのように、個人と個人の契約のような仕方で互恵的な関係をどう拡大するかではなく、日本人は自然なつながりによってたまたまその場にいる人を選ぶ「ご縁」作りである。よく、日本人は幸福感が低いというが、実は違った見方がある。10点満点で幸福度を聞くと、多くの国で9ちかい平均点が出るのだが、日本は6.5。でも、「理想の幸福度は何点ですか?」と聞くと、多くの国では10に近い平均点になるのに対し、日本は7。つまり、現実の幸福度が6.5で、理想の幸福度が7なら、とてもうまくいっているとも言える。「ほどほど」の大切さ、自分だけが幸せになろうとすることを避けるメンタリティ、「足るを知る」感性、などがはたらいているのかもしれない。

一般社団法人リヴオンの尾角光美さんは、お母さんを自死で亡くされたご自身の人生経験から、グリーフケアを広める事業を推進されており、お寺業界と関わりが深いことから私もいろんな場面で親しくさせていただいています。
--グリーフケアなんていう言葉がなくても、お坊さんは昔からをそれを自然にやってきたはずで、四十九日や回忌法要などはある意味で、クリスチャンの方が羨むほど日本的グリーフケアが仕組み化されたものであったのに、最近はそれが疎かにされて弔いの力が弱まっている。アメリカでは教会の力が弱まったとき、牧師が何をしたかといえば、こぞって大学院に行き、グリーフケアのカウンセラーとしてのスキルを身につけて社会の中での役割を取り戻した。そういうことが日本のお坊さんにも必要になってくるだろう。あるがままに、受け止めること。グリーフから光を。

私自身がこのイベントでパネル他いろいろな方とお話ししたことでは、
・お寺は地域社会の「ご縁」という資本が育つ場である
・お寺は大乗仏教の僧侶にとって、本山を降りてから、娑婆の苦と仏法を切結ぶ実践的な本当の修行が始まる場である
・手放すことを意識して生活することにより、すでに身の回りにあふれるご縁という資本に気づこう
というようなことでした。

ディスカッションではいろんな話が出ましたが、話だけじゃなく一緒に活動したらかなり面白いんじゃないかと思える、よい出会いでした。

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Today I attended a forum of "Kyoto-ryu Giteisho (Protocol)". The goal is to discover the core value of Kyoto. I joined a session of "Kokoro capital (social capital)". 
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Shoukei MATSUMOTO
>>Profile Born in 1979 in Hokkaido, after the graduation from The University of Tokyo, Keisuke Matsumoto has worked in Komyoji Temple Tokyo for 7 years. As a head of Young Buddhist Association of Komyoji Temple, he launched new initiatives like Temple Cafe Project and Twilight Music Festival. After studying MBA in India, he is teaching "Temple Management" in Japan.