Everything But Nirvana: The Authentic Leadership Journey of a Japanese Buddhist, Shoukei MATSUMOTO

みうらじゅんさんと浄土の教え / Jun Miura and Pure-land Buddhism

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松本紹圭です。

珍しく今週は土日の両日ともに休日らしい終末を過ごすことができました。今日は法然院さんで「おてらでなんかやったはる」という子ども向けのイベントが開催されており、私の息子は紙芝居を見、水飴をなめ、どんぐりで工作を楽しみました。

その後、家の近所の大学で開催中のオープンキャンパスでみうらじゅんさんが「まんが学部」講師としてお話しされるイベントがあったので、図々しくも家族で聞きにいきました。みうらじゅんさんには以前、私の最初の著作『おぼうさん、はじめました。』で表紙のイラストを描いていただいたというご縁もあり、久しぶりの再会となりました。

大学のオープンキャンパスの催しなので、聴衆はその大学を志望する高校生も多く、話題の中心はみうらさんの学生時代とか、職業選びについてとか、みうらさんの知らなかった一面について聞けて面白かったです。

みうらさんは今でこそ、漫画家でありイラストレーターでありミュージシャンでありといったご自身の独特のポジションを確立されていますが、最初は横尾忠則やボブディランに憧れて、その人に成り切ろうと夢中になっていたと言います。職業に憧れたことは一度もなく、その人自身に憧れていたと。憧れの人に成り切るために大事なことは、「自分さがし」ならぬ「自分なくし」。進路選択なんていう話になると、「自分さがし」が大事だと言われるが、そんなに自分なんてすごいもんじゃない。オレは自分が大好きだったけど、自分にしかできないことなんて、ほぼ見つからない。ほとんどのことは偉大な先人たちがやってしまっている。ユニークさを出せるところなんて、それらをアレンジすることくらいなもの。まずは憧れの人に成り切ろうと、頑張ってみる。そうしてみることで、「どうしてもなれない」ことに気がつく。その繰り返しをしてきたと。

さらにみうらさんは、「まんが学部」志望の高校生たちに、早いうちから自分の可能性や活動ジャンルを絞りすぎないほうがいいと説きます。まんがで行こうと思っても自分の思い通りに評価されるようになるとは限らない。自分が原稿料の出ないガロ(伝説の漫画雑誌)に漫画を送っていたときのような変態さ。そもそも「売れる」というのは恥ずかしいことであり、自分がどういう漫画家になりたいのかというのも知る必要がある。どういうふうになるかなんて分からないんだから、学生時代には、たとえば自分が最も欲しくないものを買ってみるとか、一番やりたくないことをやるとか、そういうことが大事。オレだったら、ヨットを買うとか。10万円以上出して欲しくないものを買ったら、何とか元をとろうと思って頑張るものだよ、と。

みうらさんの講義を聞きながら、その端々に私は一人で「仏教」、それも「浄土教的仏教」を感じていました。講義中、あまりにも自然に「"自分なくし"っていうのはぜんぜんおかしなことじゃなくて、仏教的にはむしろ正しいこと」と仰っていたのが印象的です。実はみうらさんには、中高を京都の東山高校(浄土宗系)で過ごしたという浄土教とのご縁があります。集団生活が苦手で、むさ苦しい男子校の中高時代にはそれほどいい思い出がなかったようですが、みうらさんは当時から仏像好きでもありましたので、一枚起請文とか仏教に触れる部分は楽しんでおられたのではないでしょうか。

講義後にみうらさんの新刊本『マイ京都慕情』にサインをもらいに行ったら、私の本にイラストを描いたことを憶えていてくださって「いやぁー、ちょぉっと早かったよねッ!仏像ブームよりも前だったからね。阿修羅展の後に出せばよかったよね」とのお言葉をいただきました。

幼少期は「住職」になりたかったというみうらさん。以前お会いしたときにも「そのうち出家したいんですよ」と仰っていたみうらさん。私にはすでにその背中で浄土の教えを説かれているように見えました。

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Jun Miura is Japanese famous illustrator, manga writer and musician. I attended his talk session Today. He said that he has never tried to realize himself but tried to remove his uniqueness and pursued to become his role model. He said "Buy what you really don't want to buy, and do what you really don't want to do". I found the concept of Buddhism in his messages. 
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Shoukei MATSUMOTO
>>Profile Born in 1979 in Hokkaido, after the graduation from The University of Tokyo, Keisuke Matsumoto has worked in Komyoji Temple Tokyo for 7 years. As a head of Young Buddhist Association of Komyoji Temple, he launched new initiatives like Temple Cafe Project and Twilight Music Festival. After studying MBA in India, he is teaching "Temple Management" in Japan.