Everything But Nirvana: The Authentic Leadership Journey of a Japanese Buddhist, Shoukei MATSUMOTO

お寺の終活は「家族に迷惑をかけろ!」 / Ending Seminar 2013 in Outen-in

20130720.jpg

今日は大阪、應典院さんで毎年開催されているエンディングセミナーに行ってきました。今年のテーマは「お坊さんと語る、<終活>カウンセリング」ということで、いま流行り?の終活を應典院さんがどう料理するのかとても楽しみでした。

交通の事情により少し遅れで到着すると、すでに武藤頼胡さんの「終活」講演が始まっていました。終活カウンセラーという資格制度を事業化されているご経験から、「終活とは=人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をよりよく自分らしく生きる活動のこと」と、終活についての定義を提示されていました。また終活とは、「やり方」ではなく「あり方」が問題であること、つまり墓をどうするとか遺産をどうするといった方法の話よりも、それらを通じて自分がどうありたいのかということを考えることが大事でなのだと。一人ひとりやりたいことは違うのだから、終活の場は、人それぞれ。一人ひとりの生き甲斐を探求する場となればいいと思うとお話しされました。

その後、パネルディスカッションには應典院主幹の山口洋典さん司会のもと、應典院住職の秋田光彦さん、グリーフケアの専門家で終末医療の現場で活躍される浄土宗僧侶の大河内大博さん、そして終活講師の武藤さんがお話しをされました。山口さんの知性とウィットあふれる安定感のある司会のもと、いつもの通り、ディスカッションは盛り上がりました。

秋田さんは、血縁型のお墓から「結縁」型のお墓へと時代の求めが変わって行く中で、新たな共同体が重要になることを説き、多くのお寺がその土地に数百年も人々の生活(苦しみ)の現場に寄り添いながら歴史を重ね続けてきたことによる関係性の価値を強調。<終活>という一種のブームに対して、お寺を預かる僧侶は「ぼくこの仕事もう流行らないから辞めますわ〜」なんて言うことができない大きなものを(良くも悪くも)背負っているという、長い長い時間軸で一人ひとりの供養を考えていかなければならないのではないかという問題意識を提示されました。

大河内さんは、ビハーラ(ホスピス)活動やグリーフケアの現場での経験、そしてまたご自身のお寺での経験をもとに、対話力の大切さを説かれました。なぜ<終活>のようなものが流行しているのかといえば、今のお坊さんにさまざまな人の苦しみに耳を傾ける対話力がないんだろうと。でも、僧侶は現在、そういう教育を受けることがまったくない。だから自分の場合は医療現場でそこにある苦に向き合い、対話のトレーニング、修行の場にしている。対話力がお寺にあるならば、相談事も自ずとお寺に集まってくるんだろうけれど、そうなっていない現状が、今<終活>のほうに皆さんが行ってしまう理由なんだろうと分析されました。

質疑応答の後、大河内さんがまとめでお話しされたことが、とても印象的でした。<終活>は、現代のニーズに応えていく、現代の問題を解決していくという上ではフィットしているんだろうと。夢や希望というところまで広がりを持っています。でも、宗教は社会のニーズに相反するようなことをやっていかなければいけない。「家族に迷惑をかけたくない」という人に、「迷惑をかけろ」というのが仕事でもある。でもそれをすると、ますます話を聞いてもらえなくなる。だから、いったん<終活>という枠組みの中でコミットしつつ、そこで何かしら我々の役割を見いだした上で、それを超えていくものを提供していかなければならないんだろう。このように語られました。

なんだかんだ言っても、私たちは「今ここ」から始めるしかありません。今ここから、よりよい理想を、本当に実現する。現実をしっかり見据えた上で理想を描き、さらにそれを実現するための具体的な方法はいかにあり得るかを大河内さんは見ておられ、同い年としてとても心強い思いがしました。

<終活>は、共同体の豊かさを失って自己中心的な視点しか持ち得ない現代人にとって、ひとまず己を振り返る入り口のきっかけを与えてくれると思います。しかし、そこで「自分をどうするか」の話に留まることなく、死=関係性の喪失というものが、自分一人のものとしては決して成り立たないんだということ、死を機能限定的に捉えるということは人生を限定してしまうこととイコールであり、死に自分を解放していくことで真に豊かで自由な生を生きることができるんだということに、気づいていただきたいと思います。

そのためにも、お寺はもっともっとできること、やるべきことがありますね。
秋田住職、山口主幹はじめ應典院の皆様、本当にすばらしい企画をしてくださり、ありがとうございました。
まさに私のために開いてくださったイベントではないかと思えるくらい、学びが多かったです。

---

I joined "Summer Ending Seminar 2013" in Outen-in in Osaka. How to plan the ending of our life is currently very hot topic in Japan. There are a lot of related seminar events all over Japan and so many senior people rush into them. Once it was temple's role to give local people chances of reflecting their life. But now it is no more. But it should be very important role for temple. For the modern Japanese people who don't know the true richness and value of community, temple should renovate its design and structure. Thank you all for holding this great session. 







Tags: Category:


Shoukei MATSUMOTO
>>Profile Born in 1979 in Hokkaido, after the graduation from The University of Tokyo, Keisuke Matsumoto has worked in Komyoji Temple Tokyo for 7 years. As a head of Young Buddhist Association of Komyoji Temple, he launched new initiatives like Temple Cafe Project and Twilight Music Festival. After studying MBA in India, he is teaching "Temple Management" in Japan.